音楽の話 #She

音楽の話 #She

She (1999) エルヴィス・コステロ

 大切にしている映画の一つに「ノッティングヒルの恋人」という作品があります。ジュリア・ロバーツ&ヒュー・グラント主演のイギリス映画で、ほどよくセンスが良く、ほどよくかっこ悪く、ほどよくクレイジー、庶民的であったかいラブストーリーです。疲れた時やちょっと泣きたい時なんかには必ず観ます。この映画のおかげで、次の日からまた穏やかな気持ちで生きていけるのです。マスターにとっては、常備薬みたいな存在ですね。

 英国は食事と水がマスターには合わなさそうなので住みたいとは思わないけど、お洒落で素晴らしい国です。映画の舞台ノッティングヒルはロンドン西部にある高級住宅街。毎週末に開かれるアンティークの蚤の市は有名で、映画の中でも紹介されていました(ロンドンと聞くと、どうしても「相棒」の杉下右京さんと「名探偵コナン」の工藤新一を連想してしまうマスターです)。イギリス人一般男性とアメリカ人大女優との恋の話ですが、舞台が大都市ロンドンなのでシニカルで自虐的なイギリス人がいっぱい出てきます。ステレオタイプな英国人らしい言葉遣いや独特の言い回しがいちいち胸をくすぐる。特に友人を囲んでの妹の誕生日会のシーンは素敵です。最後に一つ残ったチョコブラウニーをかけて自分たちの不幸自慢をする…それぞれ結構な悲しい現実を抱えているのにユーモアと皮肉を交えて笑いに変えてしまうのです。そうやって笑い会える仲間がいるのは、もうそれだけで幸せなことですよね。

NottingHill

 「She」という曲は”ノッティングヒル”の主題歌として使われていて、オープニングとラストシーン(一番いいトコ)で歌われます。若い世代にはエルヴィス・コステロ版で浸透していますが、実はこの歌はカヴァー曲で、原曲は有名なフランス人シャンソン歌手のシャルル・アズナヴールさんが1974年に歌ってヒットしたものでした。まぁあんまりコステロっぽくない曲だもんね。邦題は『忘れじの面影』、原題には「愛のすべての顔」という意味のフランス語タイトルがついていますが、やはり英語題のSheが一番メジャーではないでしょうか。とにかく「愛する彼女」と「彼女を愛する自分」について、これでもかと甘い文句を並べて、これまた甘い歌声で歌っちゃっております。改めて歌詞を読むとお腹いっぱいになりますが、このコテコテ感が、この曲に関しては実に良いのです。映画ではなんと!アズナヴール版とコステロ版を両方楽しめますので、ぜひ音楽にも着目して観てみて下さい。

 またコステロ以外にも多くのアーティストがカヴァーしています。マスターはクラシカル・クロスオーバーの4人組ヴォーカルグループであるイル・ディーヴォが好きなので、こちらもオススメ!これでもかと高らかに歌いまくってます♪イル・ディーヴォの曲、店内でも流したいのだけど…カルロス・マリン(4人の中で一番オペラっぽい歌い方をするバリトン歌手)の見せ場を作らないといけないので、大体どの曲も途中で激しく盛り上がる…お食事中にビックリさせちゃうから、やめておきます。

 

NO MUSIC, NO LIFE.

美味しいコーヒーと一緒に、音楽を楽しみましょう