今月の世界の珈琲(10月)

今月の世界の珈琲(10月)

コンゴ民主共和国 『ペイザンヌ』

Justice Unité République Démocratique du Congo Paysanne

 コンゴ民主共和国の学校では、子ども達にコーヒーがいかに自分たちの生活に深い関わりがあるかを説くときに、「グリーンゴールド」と表現し、大切にしてきました。水洗式で精選されたコーヒー生豆の美しい緑色に、未来の繁栄を映し見たのでしょう(“ゴールド”は主要産業のこと。イエローは金属、ブラウンはオイル、ホワイトは綿花)。

 今月ご紹介するペイザンヌは、アフリカの有名産地であるケニアや、発展目覚ましいルワンダにほど近い、北キブ州ブテンボで生産されました。コンゴ民主共和国のコーヒー生産はベルギー植民地時代に導入され、多くのコーヒープランテーションが開発されました。古い歴史をもつ一方、世界トップクラスの鉱物資源国であるが故に紛争が絶えず、内戦勃発も影響して、20世紀末には生産量が激減してしまいました。現在は欧米を中心とした支援や国策によって、従来生産されていたカネフォラ種の生産だけでなく、スペシャルティコーヒーの生産にも力を入れるようになり、コーヒー生産量は回復傾向にあります。

 そんなコンゴ民主共和国の中でも、ペイザンヌは標高1410-2080メートルの高地、年間気温17℃-30℃のアラビカコーヒーの生育に適した環境の中で育てられました。赤く熟したチェリーだけがハンドピックされ、水洗式で精選された後、アフリカンベッドで乾燥されます。グリーンティのように柔らかくバランスの良い甘い口当たり。浅煎りに仕上げたことで、オレンジピールの爽やかな風味、チョコレートの まろやかさ、後味にシリアル の軽やかな香ばしさが楽し めます。

sekai201809

 今もなお紛争が続くコンゴ民主共和国。武器を捨て暴力に反対するオシャレ集団「サプール」は今日もエレガントな装いで世界の平和を願います。

 

一杯の珈琲で世界を旅する

海を越えて 国境を越えて