今月の世界の珈琲(5月)

今月の世界の珈琲(5月)

ベトナム社会主義共和国
『ダム・ダ』

République socialiste du Viêt Nam Dam Da

 ベトナムはブラジルに次いで世界第二位のコーヒー生産国です。コーヒーには大きく分けて3種類あって、普段コーヒー店で飲まれているものは主にエチオピア原産のアラビカ種というコーヒーです。ベトナム産コーヒー豆の大部分はアラビカ種より低級とされるロブスタ種で、インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料として使用されたり、ベトナム式コーヒーのようにたっぷりの砂糖やミルクを混ぜる事でロブスタの好ましくない香味を隠して飲用されています。そんな中このダム・ダは、ベトナムでは希少なアラビカ種コーヒー豆を、インドネシア=マンデリン同様のスマトラ式で加工処理した先進的なコーヒー豆です。たまに耳にすることのある「スマトラ式」は精製方法の一つで、水分量を50%ほど残したまま脱穀し、2回に分けて乾燥を行うのが大きな特徴です。収穫期に雨の多い地域には乾燥時間が短くて済むメリットがあり、スパイシーでハーブのようなエキゾチックで特徴的な香味を生み出す効果もあります。標高1,200m~1,500mで栽培され、地域で収穫された豆を各小農家が持ち寄り、『ダム・ダ』として仕上げられます。

sekai201905

Dam Da というのは、現地ベトナム語で普段遣いされている言葉で、コーヒーの香りや味が良い時に使う感嘆詞。美味しいコーヒーを飲んだ時、ベトナムの人達は「おぉ!ダム・ダ~!」と叫んでいるのでしょうか。

sekai201905

 ベトナムコーヒーのシェア率は、そのほとんどがロブスタですが、今回はスマトラ式で精選されたアラビカ種のコーヒーをお届けします。マンデリンにも負けず劣らずの、しっかりとしたボディ感が印象的です!

 

一杯の珈琲で世界を旅する

海を越えて 国境を越えて