音楽の話 #愛のシャリオ

音楽の話 #愛のシャリオ

愛のシャリオ

(1963)

ペギー・マーチ

 

小学生の時 初めて買ってもらったCDは、映画「天使にラブソングを…」のサウンドトラックアルバムでした。ウーピー・ゴールドバーグ演じる神を信じないクラブ歌手デロリスヴァンカルティエと、彼女を犯罪からかくまう修道院で共に生活することになるシスター達の真っ直ぐな信仰心が交わり、音楽を通した深い友情でつながるコメディムービー。家族みんなで大いに笑って、たくさんの元気をもらえたのを覚えています。そして、もちろん今でも定期的に楽しんでいます(若き日のローリン・ヒルが出演していた2作目の映画も大好きです)。

 映画の最後にローマ法王をお迎えする曲として聖歌隊で歌われるのが、今回ご紹介する『I Will Follow Him』(映画冒頭でもクラブ用のアレンジで歌われています)。1962年にペトゥラ・クラーク(欧州)、1963年にペギー・マーチ(アメリカ)が「愛のシャリオ」というタイトルで歌い、世界的に大ヒットしたスタンダードポップスの映画用アレンジ版です。映画では「私の人生は主に捧げる…どこまでも主について行きます」と神への愛を誓う歌詞で歌われますが、フランス人作詞家ノーマン・ギンベルのタイトルでは「愛する人と共に歩んでいくことへの覚悟」が力強く表現された愛の歌。このメロディアスな旋律を生み出したのは、フランス随一の作曲家で、米のパーシー・フェイス、英のマントヴァーニと並んでイージーリスニング界の3大リーダーの1人と言われる”フランク・プゥルセル”。そして日本でも人気の 同じくフランス人作曲家”ポール・モーリア”の共同作品なのでした。シンプルで歌いやすく、そして聴きやすい、なのに心に残り人々を熱い気持ちにさせる…複雑なメロディーはいくらでもできますが、イージーなものほど実は難しいのです。人生と一緒ですね。
 ペトゥラ・クラーク及びペギー・マーチがヒットしたのち、ベティ・クルティス、ソニア・クルセル、ディーディー・シャープ、リッキー・ネルソン、日本ではザ・ピーナッツ、中尾ミエ、庄野真代らによって、カバーされています。映画の影響もあり、今ではゴスペルソングとして定着し、聖歌隊によって歌われることが多くなりました。

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 ザ・ビートルズが流行する少し前の時代、気品と優雅さを残しつつ日々の生活を彩るミュージックがラジオから聴こえていた…あの頃のように、今もきっと未来は明るい光に包まれている…希望を持つか、夢を抱くか、それは自分次第。あなたならどうする?

 

『愛のシャリオ』
I Will Follow Him

愛してる…彼を愛してる…
そして彼について行くわ
そう、ついて行くわ

彼とならどこだって行ける
限りなく深い海があったり
果てなく高い山があろうとも
二人を引き離せないわ
彼について行かなくっちゃ
彼の手に触れたときから分かってた
彼のそばにいなくちゃってね
二人を分かつものなんて何もないわ
だって彼とは赤い糸で結ばれてるもの

真の愛は彼だけなの
本当の愛…確かな愛…
今から永遠にね

NO MUSIC, NO LIFE.

美味しいコーヒーと一緒に、音楽を楽しみましょう