今月の世界の珈琲(1月)

今月の世界の珈琲(1月)

ラオス人民民主共和国
『アラビカ ティピカ』

Sathalanalat Paxathipatai Paxaxon Lao
Peace Independence Democracy Unity Culture

手から手へ

失われていく種を次世代につなぐ

 ラオス南部のボラベン高原は、ラオスにおける一大コーヒー栽培地域。海抜1200m前後の高原地帯で年間雨量も豊富、さらに火山性の土壌で、コーヒー栽培にはうってつけの土地です。古くからコーヒー栽培が盛んで専業農家も多く、海外企業の進出も増えてきています。ティピカはコーヒーの原種に近い希少な品種。ただ近年は、品質や栽培方法にこだわらずに生産効率を重視する傾向が強く、収量の低いティピカ種の樹はほとんどが切りたおされてしまいました。しかし、国際相場に左右されない高品質のコーヒーをつくるためには、その土地にあった良い品種を残していくことも大切。ティピカを守ろうと活動されている生産者協同組合の方々から出荷していただいています。

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 ティピカ種は、フランス植民地時代にラオスにコーヒーが持ち込まれたときから伝統的に育てられてきました。優れた香味をもつと言われていますが、収量も小さく、病虫害、とくにサビ病に弱いという弱点があります。最近の多収品種に切り替わってくること自体は、自然な流れなのかもしれません。ただ、ラオスは今まさに品質向上に取り組んでいこ うとしている段階。研究のた めにも品種の多様性が重 要だと考えています。

一杯の珈琲で世界を旅する

海を越えて 国境を越えて